先日肺がんの新薬について投稿しました。

その肺がん新薬の中で、他の疾患に使われているものがあることは、オプジーボの例でご存知かもしれませんね。

逆に、先日お話したザーコリは、もともと「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」対して承認されていたそうです。

昨年8月にザーコリが「ROS-1遺伝子に異常がある非小細胞肺がん」に対して承認を受けましたが、それ以前に当該疾患に対して拡大治験と言われる手法で使われていたとのこと。

拡大治験とは、人道的見地からの治験、という制度で、1年ほど前から導入されたと、2月26日付日経新聞に掲載されていました。

現在、冒頭のオプジーボも拡大治験に使用されています。

 

 

拡大治験は2016年1月に制度が設けられ、現在までに4件がその制度を利用しています。

◯ザーコリ − ROS-1遺伝子に異常がある非小細胞がん(16年7月)

◯アテゾリズマブ(一般名) − 尿路上皮膀胱がん(16年10月)

◯オプジーボ − 再発・転移性の頭頸部扁平上皮がん(16年10月)

◯アパスチン − 悪性胸膜中皮腫(16年11月)

※()は拡大治験開始時期

 

 

日経記事内では、課題として手続き時間が挙げられています。

オプジーボの場合、治験開始まで4ヶ月かかり、当初予定した患者に間に合わなかったと紹介されています。

それでも、有効性が認められれば新薬承認を受けられ、既に市場に出回っている薬が承認範囲を広げられれば薬価引き下げにも繋がります。

患者にとっても、治療の選択肢が広がることは良いことです。

今後、拡大治験の問題が徐々に改善され、1人でも救われる人が増えるとともに、国民医療費が薬によって圧迫されないことを願います。



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