明石家さんまのホンマでっか!?TVなどに出演している、中部大学の武田邦彦先生をご存知でしょうか?

最近はネットTVでコメンテーターをされたりもしています。

この先生、自分でも普通の人ではないというくらい、時折偏ったコメントをしていますが、先日興味深い話をされていました。

それは、科学の世界では既にコホート研究なんて使われていない、というものです。

 

 

まずコホート研究とは何かを説明します。

簡単に言うと、ある研究対象について追跡調査することです。

よく言われるのは肺がんなどの疾患で、喫煙者と非喫煙者に分けて追跡調査を行い、罹患率を調べるというものです。

他にも、脳卒中、心筋梗塞、各種がんに関する研究が現在も行われています。

その中で医学界で発表され巷に普及している、喫煙が肺がんの原因になる、という考え方に、武田先生は反論しています。

先日のネットニュースの中で武田先生は、「女性の喫煙率に統計上優位な差が見られないのに肺がんが増加傾向にあることは、喫煙と肺がんの因果関係では説明できない」との内容を言っています。

この先生の発言は過激なので反発も多く、やれこの先生は論文を読み間違えているとか、喫煙者の言い訳だとか、よく叩かれてます。

ただ、武田先生が話す内容として、これは捨て置けないなという部分が、研究において対象と要因(原因)を1対1で比較してはいけない、というものです。

 

 

基本的にコホート研究は追跡研究です、喫煙に関しても25年程度は追跡調査されています。

長年追跡調査する割に、調査項目は1つです、他の要因は「調整」の名目で処理されています。

ここで疑問なのが、そもそも日常生活を送る上で、喫煙するかしないかだけを取り上げて調査されて、どこまで信用できるデータが取れるのか?というものです。

 

 

日本禁煙学会(そもそも学会なのに禁煙という一定の方向性があること自体問題のような気もしますが)は、JTが発表した「日本における喫煙者率と肺がん死亡率の推移」というグラフが事実を隠しているとして、JTのグラフに独自に付け足しをしていますが、これについて考えてみたいと思います。

喫煙と肺がん因果日本禁煙学会

JTでも日本禁煙学会でも「年齢調整」なるものを使用しています。

よく分からないので検索したところ、こんな説明がありました↓

年齢調整とは

ん?全国的に調査した日本国全体の統計に、地域差を平均化する年齢調整って必要あるの?

この年齢調整を除外すると、肺がんの死亡者数って上がるのではないの?

こんな疑問が起きます。

さらに、「 1945年の喫煙率・喫煙量は1950年よりずっと少なかった」と日本禁煙学会は述べていますが、それ以前がどうだったのかには言及していないので、また検索してみたところ、面白い記事がありました↓

戦争に負けたらたばこが進む!?

これを読む限り、昭和19年(1944年)からタバコの生産は急速に減少した、とありますし、それ以前は国を応援する意味でもタバコが買われていたとありますので、

「この時期は一時的に消費が減った」

と考えるのが妥当でしょう。

しかし肺がん死亡者数でいうと、この時期からは一貫して増えています。

 

さらに面白いものを見つけました↓

ゴールデンバット

説明に「タール18mg・ニコチン1.1mg、フィルターのない昔ながらの「両切り」と呼ばれる煙草である。」と書かれていますね。

ん?まずタールとニコチンの含有量が現代のものよりも多いですね、現代のものは以下の通りの推移です↓

最新たばこ情報〔統計情報〕

次に当時のたばこにはフィルターがない両切りと書いてありますね、フィルターは有害物質を吸着して低減するという認識なのですが(間違ってないですか?)。

これらを読んで思うのは以下の通りです。

「昔のたばこの方がだいぶ身体に悪そうなんですが、なぜ昔は肺がん患者が今より格段に低かったんですか?」

日本禁煙学会の方々は、この疑問に答えてくれるのでしょうか。

 

 

話が戻りますが、武田先生は1対1の比較は意味をなさないと言っています。

職業柄塵灰を吸い込む作業場にいる人、魚ばかり・肉ばかりなど地域の食事情、活火山近くや硫黄泉近くに住んでいるなど、これらを環境要因と呼びますが、この環境要因を鑑みることは重要です。

原因は単一ではなく、複合的要因を考える必要があるということです。

また、単一原因説をベースにすると、「煙を避けているから私は肺がんにならない」など根拠のない思い込みに陥りがちになります。

少なくともたばこ論議については、たばこ自体の中身の変遷などを考えることなく、吸っている・吸っていないだけで判断することが間違いではないでしょうか。

 

 

コホート研究に戻りますが、たばこの例を見ても分かるように、ほとんどが原因と結果を1対1で比較しているので、信用に値しないと武田先生は言います。

コホート研究は科学ではない、のだそうです。

ちなみに、私は喫煙者ではありません、書いている人間が偏見を持っている訳でもありませんので、その点ご了承ください。

私たちは、原因が複数ある可能性を排除せず、健康に気を使いながらも楽しく生活していきたいものですね。



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