昨年、ドイツの医薬品大手バイエルがアメリカの種子会社(?)モンサントを買収するというニュースが駆け巡ったのをご存知でしょうか?

当局の承認がまだなので合併確実とは至っていませんが、農業分野ではかなり大きな話題となりました。

バイエルは農業化学品も扱っており、モンサントは農薬のメーカーとしても超有名です。

ベトナム戦争時に使用された枯葉剤(エージェントオレンジ)、といえば知っている方も多いでしょう。

この買収、実現すれば我々の食生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

 

まず、上記の理由でモンサントに悪いイメージを持つ人が少なからず存在します。

モンサントは現在も、ラウンドアップという除草剤を製造しており、その強力な効果は「葉に触れたら枯れる」というものです。

2~7日で枯れるという話ですが、そのラウンドアップに負けない種子が存在します。

それは、同じくモンサントが開発した遺伝子組み換え種子です。

ラウンドアップと遺伝子組み換え種子は、長らくセットで販売されていました。

安全かどうか?分かりません、それは長期の追跡調査が必要な事項です。

ちなみに、現在遺伝子組み換え作物として商業生産されている作物は、日本国内には存在しません(実験生産はされているとのこと)。

日本には、輸入食品として遺伝子組み換え作物が入ってきています。

 

 

日本で遺伝子組み換えの表示義務対象となるのは、大豆、とうもろこし、ばれいしょ、菜種、綿実、アルファルファ、てん菜やパパイヤの8種類の農産物と、これを原材料とする33種類の加工食品です。

問題なのは、この8種類以外の農作物の場合は遺伝子組み換えでない、という表示を日本政府は禁止しているのだそうです。

これらの農産物及び加工食品以外では、遺伝子組み換えかどうかを知る由がありません。

選びたくても選びようがない、というのが本当のところのようです。

また、「遺伝子組換えでない」の表示でも、重量で5%未満の遺伝子組換え作物の混入が許されているそうで、この点ヨーロッパの規制と異なる為、日本では「遺伝子組み換えでない」ものがヨーロッパでは「遺伝子組み換え作物を含む」食品に分けられるのだとか。

これでは、いつどこで遺伝子組み換え食品を摂取しているか、分からないですね。。。

 

ところで、近年ラウンドアップに耐性を示す雑草が現れてきたとのことで、ここでもイタチごっこが始まっています。

最初の話に戻りますが、バイエルも農業化学品とともに遺伝子組み換え種子も開発しており、買収が成立した暁には手を取り合って、農薬・除草剤の開発とともにそれに耐え得る遺伝子組み換え作物の開発が進んでいくと考えられています。

今回の買収話は、効かなくなってきたラウンドアップの次を見据えたものでもある訳です。

今後この話題がどのように進展するかは分かりませんが、まずは表示範囲を広げて欲しいですね。

今のままでは選びようがありません、選択する権利は確保したいものです。



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