先日、在宅ケアを語る会に参加してきましたが、この会には様々な職種の人が参加しています。
医師・看護師・ケアマネージャー(ケアマネ)・介護職員や鍼灸マッサージ師、介護家族も集まる会です。
その中で、あるケアマネさんがいつも忙しそうにしているのを見ていますが、今回も大忙しの様子でした。
さらにふくらはぎを肉離れで痛めているにも関わらず、自転車で利用者さんの元に駆けつけているそうです。
そんなケアマネさんは、医師からロコアテープと言われる痛み止めを処方されて使用しているとのことで、そのお陰で動けていると言われていました。
このロコアテープ、使用中は確かに痛みを感じなくなるのですが、そのケアマネさんも薬の効能が切れると脚を引きずるように歩いていました。
さて、ここが本日のお題になりますが、なぜこのケアマネさんは脚を引きずるように歩くのでしょうか。
バカにしているのかと怒られそうですが、そうです、治っていないから引きずるように歩くのですね。
では、このロコアテープは何のために処方されているのでしょうか、これは言わずもがな痛いという愁訴を消すためですね(痛みなく動けるようにするためとも言えます)。
しかし、最初の話に戻りますが、薬が切れると脚を引きずるほどの状態になるということは、治っていないということになります。
この場合、この薬は痛みという症状に対処しているだけ、ということになります。
本来であれば痛みの元を治すことが求められているのに、このように症状を緩和するだけの処置(対症療法)を行っていると、根本から治るというよりも痛みを感じず無理をする分、余計悪化する可能性さえあります。
では、本来このような場合はどうすれば良いでしょうか?
非現実的な回答になるかもしれませんが、治るまで何もしない(活動しない)、というのが一つの答えです。
本来痛みというのは、活動を制限するためのサインであるから、最もな答えのはずなのですが、社会生活を送る上では現実的ではないでしょう。
次に出てくる答えとしては、痛みの根本を治療する、というもので、この場合これが一番現実的な着地点になるでしょう。
そんなこと可能なの?と思われますが、無理をしない程度に活動を制限すれば、一度には治らなくとも徐々に治していくことは可能です。
方法は幾つかあるでしょう、我々の鍼灸・マッサージもそのお手伝いをすることができます(ざっくり言ってこの方が早いと思います)し、生活サイクルを回復効率重視のものに変える(食事内容・睡眠・患部の温熱調整など)にすることも一つです。
何れにせよ、身体が出している痛みは、治るために必要なものであり、それを感じないようにしてしまうことは前述の通り悪化の危険さえあります。
この問題は、医療によって症状をごまかすこと全般に当てはまります。
風邪・花粉症・腰痛・打撲・肉離れ・神経痛などなど、西洋医学では根治治療がなかなか行われず、対症療法が行われます。
これらの病気・症状は何らかのサインであって、風邪であれば病魔が入ってきているので身体が戦ってますよ、花粉症であればアレルゲンに被曝していますよ、腰痛・打撲・肉離れであれば筋肉が固まった・傷ついたなどで悲鳴を上げていますよ、といった具合に知らせてくれている訳です。
これらサインの意味を知れば、無理やりそのサインを打ち消そうとすることが逆効果であり、逆に耳を傾けることこそ早期に回復する近道だと分かります。
その他、脳血管疾患、急性膵炎、心臓疾患など、発症すると命に関わる病気に関しても、事前に知らせてくれるサインがあります。
身体が発するサインに耳を傾けることは、病気を事前に察知したり、どのように対処すれば良いかを知ることができる、大事なことです。
社会生活を送る上で多少不都合があるからと、ごまかしながら過ごしてしまうと、後で手痛いしっぺ返しを受けたり、中々症状から解放されないということになってしまいます。
今身体に起きている不具合は何のサインで、何をしなさいと身体が言っているのか、次に何かあった場合には身体と対話してみてください。
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