本日付の日経新聞34面に<「三大死因」死亡率最低に>という見出しの記事が掲載されていました。
中身を見て驚きましたが、「三大死因」とされているものは実は三大死因ではありませんでした。
どういうことかというと、平成23年の厚生労働省調査で、三大死因が入れ替わったのですが、日経新聞の記事では以前のままでした。
以前の三大疾病:悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患
現在の三大疾病:悪性新生物(がん)、心疾患、肺炎
既に入れ替わってから5年以上経過しているのに、「新」聞の報道が古いデータを使っているなんて・・・
肺炎は現在も増え続けていますし、実はがんの死亡者数も増え続けています。
しかし記事の中での2015年がん死亡者数は、男性は前回(5年前)調査比−17.1ポイントの165.3人(人口10万人対比)、女性は前回(同)調査比−4.5ポイントの87.7人(同比)となっています。
これはなぜかというと、高齢者の死亡率は高いため、年齢の偏りを調整した「年齢調整死亡率」を使っているためです。
この年齢調整死亡率、これは元々都道府県によって各年齢の人口分布に偏りがあるため(地方は過疎により高齢者割合が多いため)、その年齢の偏りを調整するというものです。
従って記事の一部は、都道府県の死亡率比較を行っているため正しいのですが、日本全国を一つの単位とした場合に年齢調整死亡率は利用できません。
では、日本全国で見た場合はどうなるのかというと、こちらに出ている通り。
参りました、新聞がこんなウソをついているなんて・・・
少なくとも、平成23年で入れ替わっている昔の死因をまだ使っているのはおかしいですね。
情報の取り方には十分気を付けたいものです。
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