8月22日放送の「たけしの家庭の医学」で面白い題材を扱っていました。

人間の寿命に関係すると言われる、DNAを構成する染色体の端っこにある「テロメア」と呼ばれる部分、このテロメアは細胞分裂を繰り返すと徐々に短くなります。

最後には分裂ができなくなることから、身体の新陳代謝が徐々に低下するという仕組みなのですが、テロメアは人によって長さが異なります。

このテロメア、短いと癌に罹るリスクが3倍〜5倍になると、番組内で医師が話していました。

また別の医師曰く、動脈硬化が進んでいる人や動脈硬化で亡くなった人のテロメアは短いのだとか。

さらに、認知症とテロメアの長さも関係するという医師の証言も放送されていました。

 

テロメアの長さは、ネガティブな発想が多い人ほど短くなりやすいのだとか。

特に、まだ起きていない事象について悲観的な先読みをしてしまうことで、長期に亘ってストレスを抱えてしまうことが、結果的にテロメアを短くしてしまいやすいそうです。

人間は意識・無意識に関わらず、日常生活を送る上で大抵何かしらを頭に思い浮かべているものです。

「今日仕事終わったら飲みに行くか」、「夕飯は何にしようか」、「週末どこに出かけようか」、「明日の会議は発表があるから絶対に成功させないと」等々、頭を悩ませるような考えからフワッと思い浮かぶ考えまで多種多様です。

その中でも、前述の「明日の会議は・・・」の件で、「発表があるから絶対に成功させないと」と思うか「発表があるから上手くできるか心配だな」と思うかの違いが、テロメアが短くなりやすいかどうかを分けるのだそうです。

 

ところで、このテロメアの長さをできるたけ保つ為に、あることをすると良いんだとか。

そのあることとは「マインドフルネス」と言われる方法。

マインドフルネスの手法とは以下の通り↓

背筋をまっすぐにして座ります。

目を閉じます。

手は楽な位置に置きます。

普段通りに呼吸をします。

呼吸の音を聞きます。聞こえなくても聞こうとすることで呼吸に意識を置きます。

意識を呼吸に向けることで、他の雑念から意識を遠ざけること、これがストレスを軽減させる訳です。

しかしまぁ、見ていると思うのが、「それって瞑想と同じじゃないの?」ということ疑問。

日本人は外来英語をそのまま使うのがカッコイイと思っている節があり(某東京都知事みたいに)、瞑想も少し前までメディテーションと言っていましたね。

 

最近ヨガの本を読んでいますが、その本によるとヨガはそもそもの目的が「解脱」であり、解脱とは「心の作用を静止すること」なのだとしています。

心を空にする、としてその概念を取り入れたのが般若心経、日本とインドは意外なところでも繋がっているんですね。

現代のヨガで行われる「アサーナ」と言われるポーズは「座法」という意味だそうで、その姿勢のまま瞑想するのが元々であり、現代の健康のためのポーズという趣旨とは大きく異なる訳です。

テロメアの短縮を防ぐためには、実はヨガ本来の目的である「心の作用を静止すること=解脱」が有効なのだということで、古来の東洋思想が現代西洋医学によって有用であることが証明されてきていると考えることもできます。

心の作用を静止するために、日常生活に瞑想を取り入れることで、病気になりにくい身体が手に入る、これは安上がりで直ぐにでも取り組める健康法ですね。

 

昔から「病は気から」と言ったものですが、実は的確な表現だったということには驚かされます。

西洋医学と東洋思想、違いは遠いように思っていましたが、案外近いところにあるのかも知れませんね。



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