1月10日付QLifePro医療ニュースに掲載されていた情報です。

1月8日に国立循環器病研究センターが、日本人の脳梗塞の強力な感受性遺伝子を明らかにしたと発表しました。日本は欧米諸国と比較して、脳梗塞の発症頻度が特に高いことが知られており、日本人に欧米人とは異なる遺伝的要因の存在が疑われていました。

国立循環器病研究センター脳神経内科の猪原匡史部長らの研究グループは、もやもや病の発症に関係すると報告されているRNF213 p.R4810K多型に着目し、日本人4万6,958名(脳梗塞1万7,752名、対照2万9,206名)を対象に調べました。すると、この多型を持つ日本人は持たない人と比べ、アテローム血栓性脳梗塞を発症するリスクが3.58倍高く、虚血性脳梗塞全体の発症リスクは1.91倍高いことが判明しました。またこの多型保有者は、虚血性脳梗塞全体の発症リスクが男性よりも女性で高かったということです(オッズ比:男性1.50、女性2.69)。欧州人(脳梗塞826名、対照863名)には、この多型は観察されず、日本人を含む東アジア固有の脳梗塞亜型で、脳梗塞の人種差を説明する新知見であると考えられるそうです。

この多型は日本人全体の2〜3%(300万人前後)が保有していると考えられているそうで、今回の研究成果で、そうした循環器疾患の重要な感受性遺伝子が明らかとなったと言える、と締めくくっています。

ただ、日本人全体の2〜3%が保有している遺伝子が原因と言われてもいまいちピンときません。厚労省発表の平成29年脳血管疾患死亡者数は109,880人、脳梗塞に限って言えば62,122人、比率1:1.91ということであれば多型が原因の脳梗塞死亡者数は40,774人になります。平成26年の患者調査による脳血管疾患患者数は253,400人、うち166,320人は多型が原因という計算です。平成30年7月1日現在の総人口1億2652万9千人、うち3%が多型保有者と考えると3,795,870人。保有者のうち4.38%が脳血管疾患患者、また1.07%が1年間に死亡しているということになります。これで「特に」高いのかは不明ですが、みなさんはどぉ考えますか?



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