3月24日と3月26日に其々厚労省から介護現場での虐待やハラスメントに関して調査発表がありました。

ひとつは、サービス利用者からセクハラや身体・精神的暴力のハラスメント被害を受けた経験がある人は、訪問介護職員の半数に上ること。

もうひとつは、2017年度の高齢者に対する虐待件数について、介護職員による虐待や家族らによる虐待が、06年度に統計を取り始めて以来、それぞれ最多を更新した、ということです。

東京新聞が記事にした介護職員への暴力やハラスメントに関しては、調査回答数が2,532人と最も多かった訪問介護で、50%の職員がこれまでに利用者からハラスメントを受けていたということです。昨年の被害を類型別(複数回答)に見ると、精神的暴力が81%で最も多く、身体的暴力は42%、セクハラが37%。家族からのハラスメントでも精神的暴力が最多だったとのこと。原因については、43%が「利用者・家族がサービスの範囲を理解していない」と答え、最も多く「職員の仕事の意義や価値が低くみられている」(39%)との回答もあったそうです。

読売オンラインの記事は高齢者に対する虐待に関してで、介護職員による虐待が510件(前年度比12.8%増)、家族らによる虐待が17,078件(同4.2%増)で、職員による虐待は11年連続、家族らによる虐待は5年連続で増えたということです。職員サイドの発生要因は、「教育・知識・介護技術の問題」、「職員のストレスや感情コントロールの問題」の順で多く、家族サイドの理由は「介護疲れ・介護ストレス」が最多だったそうです。

今まで、主に介護に関する虐待などは介護職員サイドのものがメディアに取り上げられることが多かったこともあり、職員に対してのハラスメントなどはあまり問題視されていなかったように見受けます。

ただ、このふたつの調査を見る限り、虐待やハラスメントは双方向で行われており、介護職員だけを悪者にすることはできないということがよく分かります。職員サイドの問題については、誰が給料を払ってくれているのかを理解していないのかなぁと思うと共に、アンガーコントロールの仕方を研修に入れないとダメなんじゃないのかなと思います。介護を頼む側は、頼めば何でもやってくれる気になっているようですが、やってもらうことへの感謝の念を忘れてはいけないのだな、と感じました。



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