今日は当院で在宅治療を行っている患者さんについてお話します。

 

 

昨年11月に転倒で脊椎圧迫骨折された患者さんがいらっしゃいます。

今日現在、病院併設の老人健康保険施設(通称老健)に入所されていますが、ここのところいつも腰痛を訴えられています。

家族は見兼ねて、鍼灸治療を受けたいと施設側に話しましたが、保険の関係でそれはできないと断れました。

で、施設側でどのように対応しているかというと、、、

 

◯1日25分のリハビリを週5日

◯その他の時間は何もしないのでテレビを見ている

◯キャスター付き四脚歩行器を使って動こうと思っても、1人で動くことは禁止されている

◯立ち上がって歩くのは2時間に1度のトイレの時だけ

◯必ず介助が付かなければ移動もさせてもらえないので、散歩もままならない

 

要するに運動が圧倒的に不足しています。

また、姿勢も固定した状態が長時間続く為、腰痛を起こしやすい状況にあります。

日長一日座っているか寝ているかしかなく、昨年末には病院で寝ていて腰痛を起こした為、老健へ移る前の一時帰宅中に(正月)在宅で往診した経緯もあります。

治療後は痛みが取れましたが、老健へ入所後に再び腰痛を起こし、以後は「一時帰宅で連れ帰った際に治療を行い軽快、その後施設へ戻って数日で再発」を繰り返しています。

 

 

こうなると、なんの為に施設に入れているのか分からない状況です。

宜しくねと預けた先で腰痛を起こすので、定期的に連れ帰ってまた連れていくという繰り返しは、家族にとっても負担です。

せめて腰痛の再発防止に、定期的な運動や姿勢の固定防止に努めるべきだと思うのですが、老健の保険制度上の制限で、施設側は一定以上のことをしたがりません。

老健に入所後の患者さんの医療費については、施設側が負担しなければならないと保険制度で決められている為、施設側も利益を削って利用者の医療充実を図ることはしないからです。

当院の患者さんの話では、他の入所者にも腰痛を訴える方が多いとのことですが、その声は改善の糸口になっていないようです。

病院併設の老健なのであれば、尚更きちんと対策してほしいところです。

 

 

こういうことがあるから、私たち在宅鍼灸・マッサージの必要性が高いのですが、何とも複雑な心持ちになります。

救いがあるとすれば、治療後は痛みが消失・軽快することでしょうか。

これが長続きすればなお良いのですが、それは先々の問題のようです。



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