少し前の日経新聞に、女性アスリートの栄養管理についての記事や、難治性てんかんに食で挑むといった記事が掲載されていました。

近年、食事に関して見直す機運が高まっています。

ただ、見ていると些か「?」と思うこともあるので、今回少し検証してみたいと思います。

 

 

以前、テレビで朝の食事をしっかり摂りましょう、というCMが頻繁に流されていましたが、憶えていますでしょうか?

改めて調べてみると、「朝ごはんを食べないと頭が働かないよ」という農林水産省の「めざましごはん」というCMがそれに当ります。

他方、最近は朝食前に運動した方が痩せる、とテレビでは奨めています。

総合して考えると、朝食を食べた後は痩せない=朝食前に運動しよう・それから朝食にごはんを食べよう、という考え方ですが、ここで少し考えたいと思います。

 

前提として、現代人は一般的に今よりもエネルギー(カロリー)摂取を抑えた方が良いと言われています、その為痩せようとか運動しようという考えになります。

また、朝食に限らず食事を摂った後は消化の為に内蔵に血流が取られてしまい、眠気が出たり集中力が上がらない、運動に回す血流も減る、ということも事実です。

また、空腹によって集中力が高まるという研究データもあります。

となると、そもそも朝食の摂取をあえて奨める必要があるのか?という考えに行き着きます。

別に穿った考えでもなんでもなく、合理的に考えると朝食は食べない方が良い訳です。

但し補足すると、すべての人にとって朝食は食べない方が良いというものではない、ということだけは注意してください。

人間には個人差があるので、一つの考えをすべての人間に当てはめるなどということは、土台無理な話です、逆に朝食を食べた方が動ける・頭が働くという方もいるでしょう。

あくまで一般的に、カロリー摂取過多であるという前提も踏まえて合理的に考えると、朝食は食べる必要がないあるいは食べない方が良い、という結論になります。

ちなみに、栄養摂取に偏りがあるという話はベクトルの違う話ですので、今回含めていません。

偏りがあるのであれば食事を摂るとき(昼・夜)にバランスを取れば良いだけの話です。

 

 

さて、ここで標題に戻りますが、合理的に考えて多くの人にとっては朝食を食べない方が良いのに、農林水産省が朝にごはんを食べることを奨める意味はなんでしょうか?

行き着く考えは、監督省庁ですから、農家にとって米の消費が増えることを好ましい、ということです。

この場合、朝は食べない方が集中力が上がる、などの事実を鑑みることはありません、これは米の消費量を増やしたいという結論ありきの政策です(個人的には昼でも夜でも良いと思うのですがなぜ朝なんでしょうか)。

これが標題にある「商業主義を見抜こう」ということになります。

この手のコマーシャルは、テレビを見ていればよく出くわします。

牛乳を飲もう、コーヒーを飲もう、チョコレートを食べよう、ココナッツ油が身体に良い、etc.

身体に良いからとテレビが奨めてくるものは、時代の移り変わりで変わる上に、だいたいがCMスポンサーの手掛ける商品です。

確かに一部のものが身体に良い作用があるということは、昨今の研究で言われていますしデータも出てきていますが、いずれにしても摂取過多は逆効果です。

そして日本人は、「これを摂れば健康になれる」と刷り込まれると盲信してしまうという特性があります(周りにもそういう人いませんか?)。

CM制作側はこの日本人の心理をよく理解しているので、うまくそっちの方向へ誘導していきます。

今回の投稿で申し上げたいことは、見聞きしたことについてはまず確認を取って、合理的に考えておかしくないか、まずは自分で考えてみるということ。

その上でやり過ぎない程度に実践してみる、ということです。

商業主義の餌食にならないよう、賢く消費・活動していきましょう。

加えて、空腹の方が集中力が高まるという話、栄養失調の方でなければ検証も兼ねて実践されてみてはいかがでしょうか。



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