最近、オプジーボやキイトルーダといった新薬の名前をよく耳にします。

これらはがんの新薬で、現在共通するのは肺がんの治療薬として承認されている点です。

テレビでも特集を組み、どれだけ優れた新薬かを盛んに宣伝していたことを覚えています。

 

 

ところで、肺がんの分野で以前まで有名だったのはイレッサという薬です。

皆さんも耳にしたことがあるのではないかと思いますが、イレッサは副作用による訴訟でも当時有名だった薬です。

副作用によって起きた間質性肺炎で死者も出たため、夢の薬(新薬が出るといつもこう呼ぶのですね)は悪魔の薬の如く叩かれました。

間質性肺炎の他にも、肝機能障害や発疹なども報告されています。

しかし、イレッサは現在でも使用されている肺がん薬であり、副作用の兆候を見極めながら使用すれば、それほど危険な薬ではないということです。

 

 

ちなみに、その後も肺がんの治療薬は続々と承認されており、

2002年7月 イレッサ

2007年10月  タルセバ

2009年11月  アバスチン

2012年3月 ザーコリ

2014年1月 ジオトリフ

2014年7月 アレセンサ

2015年12月 オプジーボ

2016年3月 タグリッソ

2016年6月 サイラムザ

2016年12月  キイトルーダ

なんと日経新聞に紹介されていた新薬(承認当時)だけでこれだけあります。

分子標的薬、血管新生阻害薬、免疫チェックポイント阻害薬などの違いはありますが、これだけの数が新薬として承認されていたとは驚きです。

残念なのは、がん細胞がこうした薬に耐性を持つと、従来の薬は効果が期待できなくなります。

イレッサの場合1年〜1年半で耐性が生じ、その耐性を持った遺伝子には今度タグリッソが効くとして新薬承認されました。

タグリッソの承認は昨年3月ですので、まだ耐性が生じるとこまでいかないと思いますが、今後タグリッソにも耐性を持った遺伝子が登場する可能性は十分にあります。

 

 

ここまで書いてお気付きの方もいらっしゃると思いますが、薬の進化は日進月歩、それと同じようにがん細胞の進化も進んでいるので、この新薬開発スキームは基本的にイタチごっこです。

上記の治療薬の承認年月を見れば分かる通り、新薬が承認されるスピードは年々早まっています。

がんの進化にヒトが完全に打ち勝つことは、実は非常に難しいことと分かります。

それでも、新薬が今のスピードで続々と承認されれば、以前は高価だった「最近の新薬」が廉価になるスピードも早まるかもしれません。

それにしても、聞いたこともない薬が数々と承認されているものです。

 

 

いずれにせよ、本来ならがんにならないように生活を送ることが一番ですので、日々の生活習慣や食習慣を少しずつでも見直し、健康に気を使いたいですね。



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