当院(というかわたし個人)ではdocomoのdマガジンという雑誌のウェブ閲覧契約をしており、数種類の雑誌に不定期に目を通しています。

今回は、7月13日号の◯ーザンで書いてあることに「ん?」と思ったので纏めてみます。

 

今号は酸化・糖化・炎症を特集していますが、まずガンと血管疾患で3大死因という誤った認識で記事を書いていることが挙げられます。

先日も投稿しましたが、平成23年に肺炎が死因の3位に上昇していますが、◯ーザン編集部では最新(といっても5年前の)情報が頭に入っていないようです。

 

次に、「酸化・糖化・炎症、核反応を加速させる一日の過ごし方とは。」と題して幾つか挙げていますが、「厳しい直射日光をガンガン浴びて外回り」としているものは、昔の農耕作業によって浴びる日差しとは比べようもない程度に少なく、「食後の昼休みは昼寝してぐうたら過ごす」としているものは、30分程度の仮眠はむしろ身体に良いという最近の発表があることを考慮していません。

海外には昔からシエスタという風習があるくらいで(シエスタは休み過ぎな気もしますが)、蓄積された記憶の整理にも短時間の睡眠は有効とされているので、この点でもこの特集での指摘は一方的です。

「後悔する前に知っておきたい!◯✖️クイズでわかる酸化の害。」と題しているものに関しては、上空は酸素が薄いので、旅客機に乗ると酸化が少ないという問いがあり、これも認識が間違っています。

大気中の酸素量は別に上空だから薄いのではなく、地上も上空も同じですが、地上と上空では気圧が違うので肺が取り込める酸素量が異なるだけです(専門的には酸素分圧が違うと言います)。

この点は鍼灸学校の生理学の先生が、口が酸っぱくなるほど言っていたウソです。

ただ特集内にある、上空の方が放射線被ばく量が多くなる、ということはデータも提示しており信用に値します。

 

「炎症の種類」と題したページでは、急性炎症・慢性炎症・加齢炎症を挙げて、後ろ2つが害を与える炎症とされています。

しかし、炎症とはホメオスタシス(恒常性維持機能)であり、身体をあるべき状態に戻そうとしている生体反応です。

慢性炎症でさえ、身体が壊れることを避けるための反応であるということを忘れているのではないかと思います。

加齢炎症に至っては、特集内では細胞が老化して炎症物質をまき散らし、免疫システムが暴走を始めると言っていますが、なぜ加齢炎症が起きるかについては一言も言及されていません。

最終的には細胞は壊れ、さらに炎症物質がまき散らされるとされており、身体がドンドン悪くなるよと言わんばかりです。

実際には、自分の生活様式に気を配り身体への負担が少ない生活を送っている中であれば、慢性炎症や加齢炎症も身体へ負担が掛かっているという一つのサインであり、炎症が起きていると分かった時には、それは軌道修正をしなさいと言われているのだと認識すべきです。

ちなみに、ウィキペディアで細胞老化に関して簡潔に説明されています。

ウィキペディア内では、細胞ががん化することを抑制する防御反応であると考えられている、となっていて、一概に悪とはされていません。

 

当院の投稿でも、時々雑誌や新聞から情報を頂いていますが、よく読み込むと「これっておかしくない?」という内容があるものですね。

もちろん、全てがウソということではないのですが、事実の中にウソを混ぜ込まれると、一般の方は信じてしまうのでむしろタチが悪いです。

やはり、日頃から情報を取るアンテナを張り、真実を見分ける目を養うことが大切なのでしょう。

わたしも全ての情報を網羅しているわけではありませんし、情報量も足りているとは考えていませんので、今後も役に立つ情報、間違えると大変だというような情報に気を配って収集していきたいと思います。



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