1月30日付日経新聞に、<終末期「飲食拒否」3割>という記事があり、「へぇ〜、終末期患者の3割が飲食拒否しているのか」と思っていたのですが、どうやらそうではないようです。

実際は標題の通り、終末期医療に携わる医師の3割が、患者の飲食拒否を経験したことがあるというもの。

調査したのは日本緩和医療学会。同学会と日本在宅医学会に所属する914人に質問し、571人が回答したとのこと。

 

患者自らの意思で飲食を拒否して死期を早めようとする行為(VSED)と言われるそうで、そもそもそのVSEDという言葉を知っていたのは301人、VSED患者を診たことがあると回答したのは185人。

経験した患者数では、「1〜5人」が168人、「6〜9人」が8人、「10人以上」が9人だったそうです。

既に米国看護師協会では、患者にはVSEDの権利があり、その意思を尊重すべきだという声明を2017年に発表しているそうですが、日本ではその点認識が浅いとのこと。

 

学会の医師は、「日本でも患者の死ぬ権利にどう向き合い、何ができるのか議論を重ねる必要がある。」と話していますが、日本でこの手の議論が進むのはなかなか難しいでしょう。

当院でも何人かの終末期患者さんを診させてもらいましたが、病状が進むにつれてできることが減っていき、患者さんにとって天井ばかり見て過ごす毎日ということもあります。

周りが忖度して患者さんに最良と思っても、患者さんが希望することは違うというケースもあり得ます。

その時、患者さんの選択と家族の希望がことなる、ということは現在でもありますが、どちらの希望を優先するか、医療従事者は判断を悩むところでしょう(個人的には患者本人の希望が優先されるべきとは思っていますが)。

何れにしても、患者の主体的な選択肢は多く確保されるべきとは思いますので、司法や行政がそれを邪魔することだけはないようにして欲しいところです。

 

 



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